瓦と言っても種類があります!瓦によって特徴やメンテナンス方法は違うの?
いつもご覧いただきありがとうございます。今回は屋根材の中でも特に瓦屋根についてご紹介したいと思います。ひと口に「瓦」と言っても、実は種類があります。分類の仕方も様々ですが、今回は素材別に、粘土瓦、セメント瓦、コンクリート瓦の三つに分けて見ていきたいと思います。その種類によってメンテナンス方法も違いますので、特徴などについて、一つずつご紹介していきたいと思います。
1. 粘土瓦
粘土瓦はその寿命もメンテナンス期間も長いのがメリットです。メンテナンスをきちんと行えば、50~100年は持つと言われています。メンテナンスは20年程度を目安にして、漆喰や瓦のズレやヒビなどをチェックするようにしてください。粘土瓦は「和瓦」とも呼ばれ、「日本3大瓦」というものもあるのです。この3大瓦で、全国の瓦流通量85%を占めているそうです。一つずつご紹介します。
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三州瓦(愛知県西三河地方)
三大瓦の中でも全国で最も生産量が多いのがこの三州瓦です。中部地方は良質で豊富な粘土に恵まれ、美濃焼や瀬戸焼、常滑焼などの陶器製品の生産も盛んです。また『重量物運搬に適した海上運送の便にも恵まれ、世界でも有数の大都市であった江戸に販路を求め』(三州瓦オフィシャルサイト 瓦webより抜粋)発展を遂げました。
石州(せきしゅう)瓦(島根県石見地方)
三州瓦の次に普及していて、山陰地方で見かける赤い瓦はこの石州瓦です。良質の白陶土(はくとうど)と出雲地方の来待石(きまちいし)から採れる釉薬を使用することで、独特の赤い色が出るそうです。石州で採れる粘土は、1200度という高温で焼くことができるので、耐候性に優れ、冷害や塩害にも強い瓦となり、北陸や東北など、積雪量が多い沿岸地区で人気の瓦です。
淡路瓦(兵庫県淡路島)
淡路瓦の歴史は古く、その起源は400年前にまで遡ることができるそうです。「なめ土」という土を使用し、焼き上げるときめ細かい仕上がりになります。焼く温度は他の瓦と比べても1000度と低めです。いぶし瓦の生産が多く、美しい銀色をしています。
陶器瓦・釉薬瓦
粘土を成形し、釉薬をかけて高温で焼き上げた瓦です。釉薬を変えれば、自由自在に色を変えることができますね。大きな会社であれば、色のバリエーションはかなり豊富です。陶器瓦はよほど強い衝撃を加えない限りは傷みにくく、ほとんどメンテナンスが不要です。塗装の必要がありませんので、瓦のズレや漆喰の劣化に気を付けていれば、半永久的に長持ちします。
いぶし瓦
陶器瓦が釉薬で発色させているのに対し、いぶし瓦は炭素膜で発色しており、独特の銀色となっています。まさに「いぶし銀」です。お城や寺院に多く使われています(写真は
姫路城です。いぶし瓦が使われています
)。この色合いが味わい深いのですが、年月の経過とともに色むらが生じてきてしまいます。そしてこの色むらこそが、日本独特の趣として好まれる傾向にあります。いぶし瓦専用の塗料も販売されているようですが、基本的に塗装の必要はありません。
素焼瓦
素焼瓦は、粘土を固めて成形し、そのまま焼き上げた瓦です。粘土の色がそのまま反映されます。吸水性に優れ、湿気をよく吸ってくれます。スペイン・フランス、沖縄などで見られる赤瓦が代表的なものです。
2. セメント瓦
セメント瓦は従来の粘土瓦に比べると初期費用が安く、40年程前に普及しました。セメントの割れやすいというデメリットを補強するためにアスベスト(石綿)が使われました。現在ではセメント瓦は製造されていません。また、2004年以降に製造されたセメント瓦には
アスベスト(石綿)は使用されていません。耐用年数は30~40年と言われており、10年に一度くらいを目安に塗装によるメンテナンスをするのが一般的です。色褪せて表面がざらついているところに苔が生えたり、塗膜がなくなったところから雨水を吸収してしまうということが起こります。高圧洗浄を行って汚れを落とし、細かい下地処理を行ってから塗装を行います。
セメント瓦を取り付けてから耐用年数と言われる40年程が経過し、実際に葺き替え工事が必要な場合も増えており、リフォームを希望されるお客さまも少なくありません。しかし、アスベスト(石綿)の問題もあり、費用が高額になってしまうこともあります。ぜひ一度専門の業者にご相談ください。
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3. コンクリート瓦・モニエル瓦(乾式洋瓦)
セメント瓦とモニエル(コンクリート)瓦は見た目も非常に似ています。見分ける方法は瓦の断面(小口)です。セメント瓦は平らなのに対し、モニエル瓦には凹凸があります。
モニエル瓦はヨーロッパ発祥のセメント瓦です。表面に「スラリー層」という特殊な着色層があります。吸水防止の塗料が塗られているので、このまま塗装を重ねてしまうと簡単に塗膜が剥がれてしまいます。
ですので、この「スラリー層」を高圧洗浄でしっかり取り除いてから塗装を行います。モニエル瓦には専用の塗料がありますので、業者さんとしっかり相談することをお勧めします。
因みにモニエル瓦は、外資系の日本モニエル(株)が製造・販売を行ってしましたが、2010年に日本市場から完全に撤退しましたので、現在は新品のものが手に入りにくくなっているそうです。
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