特にこれから家を建てたりリフォームをお考えの方は「ラジカル塗料」とか「ラジカル制御型」といった言葉を目にしたり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。
調べてみると「ラジカル」を制御したり抑制できるとどうやら良いらしい・・・ということは容易にわかります。
では、そもそもその「ラジカル」とは何なのか？ということをお伝えしたいと思います。

で、ラジカルってなに？

通常、原子は2個でペアになって同一の軌道上に存在しています（共有電子対）。
しかし、何らかの条件によってペアではなくなり、1つしかなくなっている状態（不対電子）になると、この「ラジカル」な原子は非常に不安定的になってしまいます。
周りの原子や分子から、欠けた電子を奪おうとして反応性が強くなります。

さらに、1電子を奪われた分子は他の分子から電子を奪い・・・というように、連鎖的にラジカルが形成されていきます。
これがラジカル連鎖反応です。

不対電子は、熱や光などの強いエネルギーによる電子の移動によっても発生します。
空気中の酸素も、光によってラジカル化されているのです。

塗装分野での「ラジカル」とは？

では、塗装分野でいう「ラジカル」とはどういう状態なのでしょう？

塗料に含まれている樹脂や顔料（有機物）に、酸素・紫外線・水などが触れることで劣化因子が発生します。
これが「ラジカル」です。
特に酸化チタン（白色顔料）に紫外線が当たることで発生するそうです。

「ラジカル」は抑制できる？

「ラジカル抑制塗料」は、2015年に発売された比較的新しい塗料です。
従来、主成分となる樹脂の違いによって分類されていた塗料ですが、「ラジカル」は樹脂の名前ではありません。
「ラジカル抑制塗料」とは、従来の塗料に特殊な成分を配合してラジカルの発生を抑制する塗料です。

ラジカルを抑制する成分として、酸化チタンを制御できるという「高耐候酸化チタン」と、発生したラジカルの発散を抑える「光安定剤」の2つが配合されています。
この2つの成分によって劣化しにくく耐候性の高い塗膜を形成できると言われています。

まとめ

「ラジカル」について簡単に説明してみましたが、何となくイメージはつかめたでしょうか？

「ラジカル塗料」とは「ラジカル制御型酸化チタン配合の塗料」ということですね。
メーカーによって、どの樹脂を使った塗料をベースにしているかが違います。
また、従来の有機塗料や無機塗料、フッ素塗料など様々な種類のメーカーと塗料があります。

高耐候性のある塗料を使いたいとお考えの方は、やはり専門の業者さんに相談してみることをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございました！

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